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3DCG制作で大切なステップとなるのが3Dモデリングです。3Dプリンター、3Dスキャナーなどの利用が広がるにつれ、3Dモデリングに興味を持つ方も増えています。そんな3Dモデリングとはどんな工程で、どんな種類があるのでしょうか?おすすめのソフトウェアとあわせて、3Dモデリングの基礎知識をご紹介します。
3Dモデリングとは、3DCGの制作で最初のステップとなる大切な工程です。3DCGは「縦」「横」「奥行き」の3つの方向が存在する3次元空間で、コンピュータを使って画像を生成するコンピュータグラフィクスの1種です。現在は、ゲーム、アニメ、映画などの業界はもちろん、建築や製造業でも3DCGが広く使われるようになり、3Dプリンターや3Dスキャナーなどの技術も発達しています。3Dモデリングは、それらの技術に必要な工程なのです。
モデリングとは「形成」や「造形」を意味する言葉で、立体物を形成することをいいます。なにかモノを作りたいとき、どんな形や大きさにするのかを決めて形成していきます。3Dモデリングとは、このモデリングというプロセスを3次元グラフィクスで行うことをいいます。モデリングの段階ではモノの模様や質感は表現されず、あくまでもモノの形状のみを決めます。
ここで改めて確認しておきたいのが、2Dと3Dの違いについてです。2Dや3Dの「D」は「Dimention=次元」の意味で、2Dは2次元、3Dは3次元を表しています。2Dは「横(X軸)」と「高さ(Y軸)」の2方向の軸で表される表面で考え、3Dでは「横(X軸)」と「高さ(Y軸)」に「奥行き(Z軸)」が加わった3方向の軸で表される立体的な空間で考えます。
モデリングにはいくつかの種類があり、それぞれに特徴が異なります。
ポリゴンとは英語の「Polygon」のことで「多角形」を意味します。ポリゴンモデリングは、三角形や四角形などの多角形を組み合わせた手法で、多くのソフトで互換性がある、もっともポピュラーなモデリングの手法です。ポリゴンは頂点(ポイント)と、その頂点を結ぶ直線(エッジ)で定義され、ポリゴンの内側部分のエリアを「面(フェイス)」、ポリゴンの集合体を「ポリゴンメッシュ」といいます。点、線、面の構造で作られているため、忠実にモデリングしやすい特徴があり、さまざまな形状のモノで使われています。しかし全体的に角ばりやすいため、“CGっぽさ”が出てしまう難点があります。表面をなめらかにすることはできますが、そのためにはそれなりの技術も必要です。
スカルプトモデリングでは、粘土をこねて立体的なモノを表現していくようにモデリングする方法です。粘土でモノを形成するようなアナログに近い手法のため、直感的にモデリングしやすい特徴があります。スカルプトモデリングでは、主にペンタブを用いて作業します。ペンタブの筆圧で凹凸を表現できるため、ポリゴンモデルのような角ばったモデリングではなく、リアルな質感や複雑な形を表現しやすいメリットがあります。ポリゴンモデルではできない複雑な形状も簡単に作れるため、ポリゴンモデルなどの別の手法でモデリングした後に、スカルプトモデルで凹凸感などをさらにつけていくケースが多いです。人の顔や体、布、自然物など不規則な形状のモノのモデリングによく使われますが、建築物やプロダクトなど規則性のあるモノのモデリングには向いていません。
CADソフトを使って行われるモデリングもあります。CAD(キャド)とは「Computer Aided Design」の略で、コンピュータ上で図面などの作成を行うことをいいます。自動車、飛行機などの工業製品、家電製品などのモデリングでよく使われています。モノの寸法を正確に測って作る場合や流線形状を含むモノ、メカなどのフィギュア制作に向いているモデリング手法です。
曲面モデリングとは、スプライン曲線、NURBS曲線など、数学的にあらわされるカーブ(曲線)を使ってモノの形状を作っていく手法です。ポリゴンモデリングのようにポリゴンを多数組み合わせる必要もなく、少ない情報量できれいな曲線を引けるのがメリットです。しかし曲線のみで構成されるため、曲線状ではないモノのモデリングには使えません。曲面モデリングは、設計図、建築デザインなどでよく使われています。
3Dモデリングには「サーフェスモデル」「ソリッドモデル」「ワイヤーフレーム」の表現方法があります。作るモノや状況によって、いくつかを使い分けることになります。
サーフェスとは「表面」や「面」の意味で、サーフェスモデルとは立体物の表面の作成を行うモデリングです。例えば立方体の3Dモデリングを行いたい場合、立方体は6つの面で構成されているため、その面に注目して6つの正方形を組み合わせていきます。この手法をサーフェスモデルといいます。面には厚みがなく、体積や質量もなく、あくまでも面だけを貼り合わせたモデルを作成します。最終的には面に厚みをつけたり、中身を閉じてソリッドに変換したりします。サーフェスモデルは、ソリッドモデルでは処理できないような複雑な形状のモデリングに向いています。
サーフェスモデルでは中身には体積や質量はありませんが、中身が詰まっていて体積の情報がある立体をソリッドモデルといいます。ソリッドモデルではすべての面が閉じられていて、完全な立体となっています。体積があるため、立体の重心の位置を算出することができたり、断面図を作ったり、使用する材料の密度を設定して質量を算出したりできます。最初にサーフェスモデルで作成し、そこにソリッドモデルで面の厚みと質量を持たせていくという使い方をすることもあります。現在販売されている機械用CADの多くはソリッドモデルが採用されており、直方体、円柱などのシンプルな形状を作るときに適しています。
ワイヤーフレームは、立体の形状を「頂点」と「線」で表現したモデルです。針金で立体を表現するようなイメージです。もともとコンピュータ上で立体を表現するときに、1970年代に初めて使われてきたのがこのワイヤーフレームです。その後サーフェスの表現方法、さらにソリッドの表現方法が生まれてきて、現在ではワイヤーフレームモデルでモデリングが完結することはほとんどありません。しかしモデリングの工程でワイヤーフレームを使うことは、多くのシーンであります。ワイヤーフレームは内部の情報がなく、面もないため、データ量が少ないというのが特徴です。そのため、演算処理や表示速度が速いというメリットがあります。
3Dモデリングを行うときにはソフトウェアが使われます。ここでは、初心者の方におすすめのソフトウェアをご紹介しましょう。
有料のソフトがある中で、無料のソフトとして有名なのが「Blender」です。無料ソフトの多くは一部の機能しか使えないなど、使える内容が制限されている場合が多いですが、Blenderはすべての機能を無料で使えて、世界中で幅広く利用されています。モデリングはもちろん、レンダリングまですべての3DCGの工程を完結できる総合型ソフトです。外部のアドオンをインストールすることも可能で、3Dデータをインポートすることもできます。日本語で使い方をまとめた動画やサイトが数多くあるため、初心者でもそれらを参考にしながら使えます。
https://www.blender.org/
「3ds Max」は、Autodesk社が手がける3DCG制作ソフトです。アニメ『鬼滅の刃』の制作で使われたことでよく知られています。ゲーム、アニメ、映画、モーショングラフィックスなど、多くの業界で使われているソフトで、モデリングもできます。3ds Maxはプラグインが数多くあることが特徴で、必要なプラグインを適宜使うことで、より理想的なモデリングが可能になります。多くの現場で実際に使われているソフトウェアですから、これを使い慣れていくと実践的なスキルを身につけることが可能です。
https://www.autodesk.co.jp/products/3ds-max/overview
スカルプトモデルを無料で作成できるのが「Sculptris」です。初期画面に球体が表示されるため、粘土をこねて好きな形にしていくように形成していくだけです。直感的に使いやすく、クオリティの高い3Dモデリングが可能です。スカルプトモデルは直線的ではない自然な形状のモノに最適で、フィギュアのモデリングなどにおすすめです。ソフトウェア自体は英語で表記されていますが、日本語のマニュアルも配布されているため英語が苦手な方でも使いやすいでしょう。
https://oakcorp.net/pixologic/sculptris/
建築物やインテリアに適しているモデリングのソフトウェアが「SketchUp」です。有料版と無料版があり、無料版ではクラウド上にある10GBのストレージが使えます。3Dモデリングの知識がなくても、直感的な操作でどんどん作り進められるソフトウェアで、間取りやインテリアなども検討できます。
https://www.sketchup.com/ja
「Tinkercad」は、無料で使える3Dモデリングのソフトウェアです。ダウンロードしてインストールする必要がなく、ブラウザ上で使えます。直感的に使いやすいインターフェースになっているため、初心者にもピッタリです。3Dモデリングの感覚をつかんでいくときにおすすめです。英語表記されますが、表記を日本語に変更できます。
https://www.tinkercad.com/
写真を元に、そこから3Dモデリングを自動で行う無料ソフト「Smoothie-3D」。使いたい写真を読み込んだら、その画像の上をマウスでなぞるだけで、パーツごとにモデリングしてくれます。写真の質感などをそのまま読み込めば、リアリティあふれる3Dモデルができます。
https://smoothie-3d.com/site/page_index.php
これまでは手でスケッチを描いたり、コンピュータの平面上に描いたりしてきたのを、よりリアル感あふれる形状として表現できるのが3DCGです。ゲーム、アニメ、映画、自動車、建築、機械など、さまざまな業界ですでに当たり前に使われている技術です。3DCGで必要なのが、モノの形状をつくる3Dモデリングというプロセスです。3Dモデリングの技術を学んでおけば、多くの分野で活躍の場が広がっていくことは間違いありません。興味を持った方は、ここでご紹介したソフトウェアなどを使って、3Dモデリングにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。